他人のおすすめの本について思うこと

 僕は、本をわりかしよく読みます。周りの人たちもそれを知っているので、ときどき、自分が気に入った本を僕に紹介してきてくれます。でも、そういった本ってたいがい面白くないんです。

 確かに構成が良かったり、言いまわしが面白かったりして良い本だということは分かるのですが、いまいちぐっと来ない。そんな経験あなたもありませんか?

 なんであの人には面白かったのに、僕には面白くなかったのだろうか?それは、本の好みが人によって違うから、そして本が自分に直接語りかけてこないから

 前者は、当然と言えば当然なので特に言うことはないのですが、問題は後者です。多少好みと違っていたとしても、自分で選んで自分で買った本ならばそれなりの楽しみ方があります。でも人に紹介してもらった本って、直接入り込むことができず、必ず紹介してくれた人の人間性というフィルターを介した解説付きの本になってしまうのです。

 僕のようなへその曲がった人間にとってこのノイズは致命的で、読みながら、「ふーん、あの人はこういうのが好きなんだ。まあ確かにそういう人もいるよね。」などと考えてしまいます。(性格わる)

 また、大して感動したわけでもないのに、こんな本読んでるんだぜ、すごくね?みたいな感じで紹介されたであろう本もあります。僕もよくやりました。そういった本は、実際にその本が面白いかどうかは置いておくとして、読んで面白いと思えるはずがありません。

 こんなわけで、今現在僕は自分から人に本をすすめるということは絶対にしないし、友達に面白い本を紹介してよと言われても、なるべく断るようにしています。そもそも、本の趣味が合う人なんてまずいないですし、結局すすめた本を読んでくれた友達もほとんどいなかったです。まあ人ってそんなもんです。もちろん自分も含めて。

 ここまで人に紹介してもらった本は面白くないという話をしてきましたが、じゃあどうやって面白い本を探せばいいんだと思う方もいるかと思います。そんなあなたは、とりあえず本屋に行ってみてください。そして、タイトル、作者名、デザイン、薄さ、欲を言えば書き出しが気に入った本を買ってみてください。その本は、僕が選んだ本ではありません。あなたが選んだ本です。そして、本もあなたを選んだのです。ジャンルは問いません。ちょっといいかもと思ったら、迷わず買ってください。また今度にしようと思うと、二度と出会えなくなってしまうことがあります。

 …とこう書くと、あなたが今から本屋に行って選んだ本は、僕の文章を読んで行動したというフィルターを通したものになります。

 このノイズは致命的です。だから僕はもう何も言いません。

 

 

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